長寿が嬉しい理由とは:日野原重明

105歳まで生き、医師として多大な功績を遺した

日野原重明氏。

生涯通して、世に送り出した、

数々の煌めく言葉が、世代を超えて

心に響きます。

ここでは、「生きる事」に、勇気を与えてくれる

一節を、ご紹介します。 

 

「十歳のきみへ   九十五歳のわたしから」

/  日野原重明    より。

 

わたしが自分の長寿をありがたいと思い、

うれしいと感じている理由は、

だんだんゆたかになって、便利になっていく時代を味わうことができたからではありません。

その最大の理由は、

「あのときのあれは失敗だったなあ」と

思うことをもう一度やり直して、

わたしの人生のあちこちにできた

やぶれめをつくろって強くしたり、

あるいは新しいことに次々にチャレンジして、

わたしの人生にさらにみがきをかける時間を

たっぷりもらえたからです。